付箋紙的諸行無常

だいたいノンフィクションです

真夜中のミネラルウォーター

日本全国の最高気温ベスト5と最低気温ベスト5とが北海道各地が独占したこの数日。当地といえば気温は20度程度、と聞けば快適と思われるかもしれないけれど、ここ一か月のうちに晴れた空を見たのは何度あったかというくらいに曇天或いは小雨模様が続いた。いや、いまもまだ続いている。

加えて蝦夷地の住人というのは梅雨というものに慣れておらず、曇天雨天が数週間続けばやれ蝦夷梅雨だ蝦夷梅雨だとのたまい、というよりここ十年くらいは毎年のように蝦夷梅雨といって良いような天候がやってくるわけで、けれども今年は、というか当地は、とくにひどい気がする。

札幌に住んでいた頃はカラッと晴れて30度くらいまで気温があがる日があるからまだよかった。ここは気温20度くらいで湿度が90%を超えたりする。

ここ一ヶ月くらいの曇天続き、そしてこの一週間くらいはその湿度が続いているものだから、とうとう体と心が天候気候に順応できなくなってきている。要は、持病のウツのようなものがドドッと悪くなった。

不眠にはとことんやられていて、先週は漢方(加味帰脾湯)だけじゃ太刀打ちできず、とうとう不眠時頓服のエバミールも登場。日中の眠気が出た日もあって、仕事中、一日のうちに三度も急ブレーキを踏んだときには咄嗟に「帰ろう」と独り言を漏らした。

そのうちただぼんやりとした不安(by 芥川龍之介)まで出てくるからどうしようもない。ヤフオクで落札した岩波文庫版「罪と罰」の代金を支払おうとコンビニまで歩いて向かった片道約五分の間、ただぼんやりとした不安に苛まれ、この先何十年後のことを心配したり憂えたりする。こうやって書いてみたらおよそ馬鹿々々しい心配と憂えなのだけれど、当時の当人はそれはそれは行き場のない不安感にやられているのである。

そしていま、案の定寝付けずにいてついついパソコンを立ち上げてカチャカチャBlogを書いている。キーボードに向かう前、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、コップにそれを注いだのだが、トットトットットッ……と流れていくその様に、なぜか学生時代に一人暮らしをしていた頃に深夜に独りでいたときの心境と或る時の風景が思い出され、何とも言えない気分になっている。

思い出は振り返ると美しいが、現実をみると四苦八苦している自分がいる。そのうち美しいものに見えるのだろうけれど、そうなるまでの”時”の長いこと。